ustreamで一億総ジャーナリスト化が実現する話

昨日の白昼に起きた秋葉原通り魔事件の話。結局、重体だった方全員が亡くなられた。もしかしたら私だったかもしれない、通り魔に遭う可能性は誰にだってあり得る、と思うとやるせなくなる。


日曜日だったので午後に布団を抜け出して、いつものようにMacの電源を付けてtwitterのtimelineを眺めていたら、なにか騒々しい。流れを見てると、どうやら秋葉原で大変な事件が起きたとか、歩行者天国が封鎖されたとか、物騒な話である。それと同時にustがどうのこうのというのも流れてきた。それが、当日偶然現地に居合わせた@kenan_と@Lyphardによるustream配信。@kenan_のアカウントはviewerが3000人くらいになってダウンした(おそらく原因はIRCチャットの負荷)らしいから見れなかったんだけど、@Lyphardが配信を始めてからは私も見ていた。まあそれもviewerが爆発的に増えてこっちもブラウザがフリーズして、そのあたりで配信は終わったんだけども、それからしばらくtimelineとNHKに張り付いて情報が錯綜していったり確定されたりする様子を眺めてるなどしてた。
この配信に関する@kenan_のブログ記事のコメント欄で、id:otsuneustream配信のキモについてまとめている。

ここにコメントしてる人の大半は以下の事をまったく知らないで書いていますね

  • e-mobileMacBookとブラウザだけですぐにネット動画中継出来るUstream.tvの仕組み
  • Ustream.tvではrecordボタンを押さないと録画データがローカルにもネットにも残らない事
  • Ustream.tvの配信を視聴者がローカル保存するのはけっこうメンドクサイので誰も保存できてないこと
  • MacBook内蔵のiSightカメラの解像度は低くてアップじゃないと顔なんか判別出来ない事
  • 秋葉のリナックスカフェMacBookを持参で集まっているのは別に不思議ではない事

この、『e-mobileMacBookとブラウザだけですぐにネット動画中継出来るUstream.tv』っていうのが、かなり怖ろしいよなーと思う。いままで個人がリアルタイム動画配信するっていうと永井先生peercastくらいしか思い付かないんだけど、ustreamの簡便さは本当にすごい。最低限マイクさえあれば、ねとらじよりも簡単にラジオができてしまう。加えてカメラがあれば映像配信もできるし、IRCチャットが横にあって視聴者からのレスポンスも瞬時に返ってくる。
私たちは情報をなにがしかのメディアから受け取っていて、特に新聞・ラジオ・テレビ、そういうマスメディアと呼ばれるものから受け取ってることが多かった。特定少数から不特定多数への情報伝達。でもインターネットが発展していくにつれて、不特定多数からの情報伝達がやりやすくなった。Web2.0といわれてるアレ
つまり、ustreamを利用することで、誰もがテレビ・ラジオの真似事ができてしまう。しかもその情報はテレビ・ラジオよりも素早く伝わる。そして検閲されないぶん生々しい。既存のマスメディアは、こういうツールがインターネット上に出来てしまったことをどう思ってるんだろうか。やろうと思えば、だれでも報道できてしまう。現場中継という一点でなら、やってることはテレビ・ラジオと同じだ。もしかしたら、余分な報道をしない分、こういった個人によるustream配信の方が素直でいいかもしれない。まあ、その個人がいらんお節介を喋り出したら、ワイドショーと変わらないわけだけど。
テレビか何かで、この出来事が採り上げられないかなーとか妄想してる。もしかしたら報道史に書き込まれるべき出来事じゃないかなーとかも思ってる。いや、それは言い過ぎかな。前例があるかもしらん。
あと、なんとなく「多重人格探偵サイコ」の渡久地菊夫を思い出したりした。あれはまたちょっと違うか。