人生を変えた10曲

友人界隈の流行りに乗って書いちゃうぞー。



1.パッサカリアとフーガ ハ短調(BWV582)/J.S.Bach

いまから思い返すと、この曲が全ての元凶になっている気がする。
小学生のころ、芸術鑑賞会で京都コンサートホールへ行き、かの有名な「トッカータとフーガ」を聴いた。もちろん、パイプオルガンの生演奏で。それがえらく衝撃的だったらしく、帰宅してCDを親にねだり、買ってもらったCDの2曲目が「パッサカリアとフーガ」だった。なんと壮大で陰鬱な音楽なんだろうと思い、なぜか共感した(これがあかんかったと思う)。同じころだったか、たぶん熊川哲也の舞台を観に行って、「若者と死」でこの曲が使われていて、死という現象の甘美さを覚えた。
いまでもよく聴く。緻密で巨大な人工建造物の中に迷い込んだ気分になる。


2.HOTEL PACIFIC/サザンオールスターズ
http://www.dailymotion.com/video/xt0t23_pv-southern-all-stars-hotel-pacific_music
お小遣いをもらうようになって、一番最初に買ったCD。おそらくサザンの中で一番好きな曲。


3.月蝕グランギニョルALI PROJECT

中学生になり、いろんな音楽を教えてもらう中で、最初の衝撃だった。よりによってアリプロである。なんせアニメをほとんど見ない小学生時代だったので、このあたりの知識はだいたいこの時期から始まっている。
あと、このひと歌上手いなあと思った。


4.エルの楽園→Side:E→/Sound Horizon

衝撃その2。そのころ演劇をやっていたのもあって、物語を音楽で綴るというのが興味深かった。その題材がまた退廃的で陰鬱なものだったから余計に惹かれた。なので、Märchenはすっごく好きになった。


5.My Heart Stood Still/Stephane Grappelli
適切な動画が無いのがほんとうに残念。
「Contact」というミュージカルがある。日本だと劇団四季のレパートリーのひとつ。ミュージカルと言っていいのかどうか解らないけれど、ブロードウェイだとトニー賞を受賞している。この曲は、そのミュージカルで第一幕に使われている。
軽薄なまでに軽いリズムと、男と女の駆け引きが交差して、なんとも言えない面白みがある。劇団四季のなかでわたしが最も好きな舞台が「Contact」なのは、ひととひとのコミュニケーションそのものが好きだからだろう。精神的にも、肉体的にも。


6.flim/Aphex Twin

Aphex Twinで一番最初に聴いた曲。ただひたすら美しいなあと思った。ドラムンベース、そしてテクノミュージックというものを知ったきっかけである。刻まれる音楽というものの心地よさよ。
その後、Come to Daddyを聴いて混乱したのは言うまでもない(結果的にどっちも好きになった)。


7.虚言症/椎名林檎

椎名林檎から1曲選ぼうとして、もちろんシングルカットされたものや「月に負け犬」なんかが名曲なことには違いないのだけど、「人生を変えた」という観点でいくと、この曲しかないと思った。

線路上に寝転んでみたりしないで大丈夫
いま君の為に歌うことだって出来る
あたしは何時も何時もボロボロで生きる

何度も口ずさんで、勇気づけられた。


8.ブラックアウト/東京事変
http://pvblog.blog98.fc2.com/blog-entry-1565.html
それでも駄目だったときは、逃げた。自分の反抗期を象徴するような曲。
いまでもこの曲を聴くと、あのころの心の不自由さを思って胸が痛む。


9.neu/少年ラジオ

世界観に衝撃を受けた曲。ゲーム、しかもアーケードの音楽ゲームという一般世間から見ると比較的ニッチなところでこんな音楽があっていいのだろうか……。
まあ、この曲が存在できるポップンミュージックの世界観にも驚いた。


10.Lillies of the Valley/Jun Miyake

このブログの少し前の記事でも同じ曲を取り上げたけれど、この曲、そして「Pina」と出会ったのは明らかに人生の転機だったなと思う。
結果的に、あの映画は自分の中のダンスの位置づけを確固として、勤め人という希望の進路に向かうための第一歩になった。中途半端なままではいけないと。


単なる「好きな曲十選」でなく、人生そのときどきのきっかけとなった音楽というのは面白いね。書いてみて良かった。