こいつが一番自分に正直である

「どうしてそこまでして人のために?」
「ううん、違うよ。自分のために」
「全部が自分のためだけ?」
「…どうだろ?」
「そうは思えないけど」
「そう? ありがと」
彼女はなぜかそんな風にお礼を言い、それから静かにペンを机に置いた。