下鴨車窓など

遠い遠い難波までひとり電車の旅をして、精華小劇場で下鴨車窓の「旅行者」を見た。二年前の初演は見ていなかったので、今回が初見。やりたいことはほとんど成功しているような気がするし、同時に「空気」というものをいかに表現するか、その難しさを特に感じた。押し黙っているだけでは気まずさというものは伝わらないし、舞台上で役者がはっちゃけるだけでその楽しさが観客に伝わってくるかといえばNOだ。物理的なもの(音響・照明・舞台美術など)のサポートがなければ、とか、そういうことをずっと考えている。「旅行者」では、下手側にある陰鬱な色をした壁とそこに開けられた穴がいい効果を出していた。