こわい

結局は演劇でも何であっても自分との闘いでしかないんだなあ。けど私は常に逃げ道を作ってそこに逃げ込んでしまいがちだ。ほんとうに追い詰められたとき、私がどこに逃げたかって、教科書通りの『わるいこと』だ。自暴自棄になってどうする。このごろの私は反骨とかそういうものを持ってなくていつまでたっても逃げてばっかりで馴れ合いを求めすぎる。胸が痛い。その痛みは自分しか分からない。けれど分かってもらいたくて押しつける。そんなことしても相手がどんどん離れていくだけだ。
そんなんだからあの子に嫌われるのか。
最近歌をうまく歌えなくなって、思った音が出なくて、ひととの距離感と接し方が分からなくなってきて、相槌を打った瞬間に喋っていた内容を忘れて、どんどん内側に思いが籠もるようになっていって、必死で取り繕う自分が空回りしてるの分かってて、でも愛情ばっかり欲して与えることをしていない。私にひとを愛することなんてほんとうは出来ないんじゃないのか。
常にこんなことを考えているような根暗ですから、疎遠にされても仕方がないか。
私の人格にある問題点は、暗く重苦しい感情に浸ることを「気持ちいい」と解釈しているところだ。ともすれば悲劇のヒロインになりがちで実際もうなってるような気もするけど。誰かに触れていたい、けれどあまりにもひどい方法しか思い付かない。思考がその方向に限定されてしまう。ひとつのことばかりをひたすら考えている。出口がない。誰かに八つ当たりする。相手の反応は、呆れるか、嫌うかだ。
たったそれだけのつまらない人間がどうしてひとから好かれよう。必死に築いてきた私の虚勢心が崩れてくる。あざわらう声が聞こえる。何をしても、駄目。どこに行っても、駄目。ひとから拒絶されることがいちばん怖いのに、拒絶されるようなことをわざわざ自分でしていて、自分もひとを拒絶していたりする。
イヤホンをつけて音楽で身体を満たして現実から逃げまくってそれからどうしよう。