集積されたことばについて

たとえば日記を書くとして。一週間で七日間分の文章が書き溜められる。それをわたしが未来に読み返すとき、七日間かけて読み返すことはないだろう。
いま、あるひとがweb上に書き溜めた日記を読んでいる。毎日というわけではないが、それなりの頻度で日記を書いているひとだ。それを過去にさかのぼって読んでいる。大概のweb日記は最新のエントリが一番上に来て、下にスクロールすればするほど過去へ向かう。AutoPagerizeでひたすら下へ下へと向かうスピードにふと気がついて、自分はなんて贅沢なことをしているんだと思った。


ことばを文字にするのにかかる時間と、文字をことばとして受け取るのにかかる時間の差について。


たとえるならば、ミルフィーユのように薄く儚く重ねられたことばを一口で、バームクーヘンのように厚く時間をかけて育てられたことばを一口で、いただくようなものだ。