第六話

お、冒頭の語りが「眠り」だ。
「Dornröschen: Prolog」――「眠れる森の美女」序曲。激しい曲調に始まり穏やかな曲調に転調する曲です。激しい部分は善の精リラと悪の精カラボスの対立、穏やかな部分はオーロラ姫の誕生…だったと思う。そう解釈してる。「眠り」はチャイコフスキー三大バレエの中でも最も上演時間の長いバレエで、プロローグ・第一幕・第二幕・第三幕・エピローグと一式揃ってます。バレリーナの体力消費も半端ではなく、プロローグ以外は出ずっぱりの主役オーロラ姫を踊りきれるかどうかがバレリーナの腕の見せ所、とかなんとか。
巡業バレエ団エレキ座の口上のシーンで流れているのは「眠り」第一幕の花のワルツ。16歳を迎えたオーロラ姫の誕生パーティーで踊られる踊り。私もその昔やりましたよ。花輪や花籠を持って踊ります。「くるみ割り人形」にも同名の踊りがあるけれど、それとは全く別物なので注意。


舞台裏見学ー。こういうの好きだ。左の男性が示しているのが、プロローグで使われる赤ちゃん籠。この中に赤ちゃんの人形を入れて、生まれたてのオーロラ姫とするのです。右の生徒が持っているのが、前述した花のワルツで使われる花輪。ついでに左下の三角形の木材は人形立て、男性の奥にある四角いものはしずと言うです。細かいところまで見てしまう…。
夢から覚めるか、覚めないか、どちらが幸せ?という問いかけが、100年眠って王子のキスで目覚めたオーロラ姫になぞらえてなされる。「(現在進行形で)夢を追いかけている」あひる。みゅうとの心を全て取り戻すという夢?
回収された心の欠片は「怖がる」。欠片を追いかけるシーンのBGMは「眠り」第二幕のいばらの城へ向かう場面の曲だったっけ。どうもこの辺りの記憶が曖昧で、ついに自分が発表会で「眠り」全幕やったときのDVD取り出して見てしまった。小六のときの。うちが第三幕のフロリナやったときの。恥ずかしすぎて死ねる。
さて、今回の副題でもある「眠り」序曲が使われていたのは、あひるとふぁきあのパ・ド・ドゥだったわけですが。無粋なツッコミをすると、あの曲で誰かが踊るなんてことはよほどの演出がない限りないと思うのですが、そこはこのアニメの演出上必要な部分なんでしょうな。乱暴ながらもしっかりリードしてるふぁきあカコイイ。